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タイヤ交換に付いてくる預かりは、倉庫業の登録が要らない扱い。ただし4つの要件がある

/ TIRAGE 編集部

タイヤの棚が並ぶ作業場で、スタッフが書類を見ている
先に結論

タイヤの販売・交換をしたお店が、そのタイヤを同じ敷地で、本業に付いてくる程度に預かる場合は、倉庫業の登録が要らない扱いになっています。

  • 倉庫業法施行令(第1条第2号)が、修理などの仕事に付いてくる預かりを「倉庫業」から外しています。国土交通省の運用方針は、例として「タイヤ販売交換を行う事業」を挙げています。
  • 外れるには4つの要件があります。自分の店で作業したタイヤであること、同じ敷地で専用の施設を設けないこと、本業に対して従たる(小さい)程度であること、などです。
  • 預かるだけのタイヤを受ける、別の場所に倉庫を借りる、といった形は要件から外れる可能性があります。最終的には管轄の運輸局に確かめてください。

タイヤ預かりを始めるとき、多くの経営者が気にするのが「倉庫業の登録が要るのではないか」という点です。 この記事では、倉庫業法と、国土交通省が公開している資料で確認できた範囲を整理します。 個別のお店が登録の対象になるかどうかは、管轄の運輸局が判断します。この記事は、その相談の前の下調べとして使ってください。

「倉庫業」は、預かった物を倉庫で保管してお金を受け取る営業

倉庫業法は、「倉庫業」を「寄託を受けた物品の倉庫における保管を行う営業」と決めています(第2条第2項)。 「寄託(きたく)」は、人から物を預かって保管する約束のことです。

国土交通省の「倉庫業法施行規則等運用方針」は、ここでいう保管を「預かった時点の状態を保ったまま保管しておくことに対して、対価(お金)を得る営業」と説明しています。 また、国土交通省は別の照会への回答で、倉庫業に当たるのは次の3つをすべて満たす場合だと示しています。

  1. 物品の寄託を受けている(物を預かっている)
  2. 物品を倉庫で保管している
  3. 1と2を営業として行っている

お客様のタイヤを預かり、建物や棚で保管し、仕事として続けているなら、まずはこの定義に近い形だと考えてください。

倉庫業を営むには、国土交通大臣の登録が要る

倉庫業法第3条は、倉庫業を営む人は国土交通大臣の登録を受けなければならないと決めています。 登録には、倉庫の施設・設備が国の基準に合っていること(第6条)、倉庫ごとに倉庫管理主任者(倉庫の管理を受け持つ人)を置くこと(第11条)などが求められます。 登録しないで倉庫業を営んだ人には罰則があります(第28条)。

登録の手続きや施設の基準は、国土交通省の「倉庫業登録申請の手引き」と「倉庫業法第三条の登録の基準等に関する告示」にまとめられています。

タイヤ交換に付いてくる預かりは、倉庫業から外れる

倉庫業法は、「他の営業に付随して行われる保管」などを、政令で倉庫業から外せるとしています(第2条第2項のかっこ書き)。 これを受けて、倉庫業法施行令第1条第2号は、次の保管を倉庫業から外しています。

倉庫業法施行令 第1条第2号(要約)

物を預かって洗濯・修理などの仕事(保管以外)をする営業の人が、その営業に付随して、自分で行うその物の保管。

国土交通省の運用方針は、この例として「クリーニング業やタイヤ販売交換を行う事業等」を挙げ、 「その営業で実際に仕事の対象になった物品を保管する場合」だと説明しています。 さらに、外れるための要件を次の4つとしています。お金を受け取るかどうか(有料か無料か)は問わない、とも書かれています。

  1. 仕事をしたお店が、自分で保管する タイヤの販売や交換をしたお店そのものが預かります。
  2. その仕事の対象になったタイヤを保管する 自分の店で販売・交換したタイヤが対象です。
  3. 同じ敷地の中で、専用の施設を設けずに保管する 本業と同じ敷地で行う保管であることが条件です。
  4. 本業に対して「従たる程度」で行う 預かりが、販売・交換の仕事に付いてくる程度の大きさであることが条件です。

4つの要件を、自分の店に当てはめる

要件の文言から、当てはまりやすい形と、外れる可能性がある形を並べると次のようになります。 右の列は「登録が要る」と決まったものではなく、運輸局に確かめたほうがよい形です。

要件当てはまりやすい形確かめたほうがよい形
自分で保管交換したお店が、自分の店で預かる預かりだけを別の会社に任せる
作業したタイヤ履き替えの作業をしたお客様のタイヤ作業をしていない、預かるだけのタイヤを受ける
同じ敷地・専用施設なし工場や店舗の中の棚に置く別の場所に倉庫を借りる。預かり用の建物を建てる
従たる程度預かりは交換のお客様向けのおまけの位置づけ預かりが店の仕事の中心になっている
国土交通省「倉庫業法施行規則等運用方針」〔1〕1ロの4要件をもとに作成。判断の目安ではなく、確認の観点の整理です。

「専用の施設」や「従たる程度」が具体的にどこまでを指すかは、確認した資料には線引きが書かれていません。 預かりの量が増えてきた、敷地の外に置き場所を広げたい、というときは、その時点で相談してください。

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最終的な判断は、管轄の運輸局に確かめる

倉庫業の登録の窓口は、地方運輸局(運輸支局を含む)です。国土交通省が地域別の相談窓口の一覧を公開しています。 相談の前に、次のことを紙1枚にまとめておくと話が早く進みます。

登録が要ると分かった場合、申請の書類づくりは行政書士に頼むこともできます。倉庫業の申請を扱った経験があるかを確かめてから依頼してください。 また、預かり証や約款(預かりの決まり)の書き方は、 タイヤ預かりサービスの始め方にまとめています。

よくある質問

預かりを無料にすれば、倉庫業にならないのですか?
無料かどうかだけでは決まりません。国土交通省の運用方針は、交換作業に付いてくる預かりの4要件について「対価の有無は問わない」としています。要件に当てはまるかどうかで考えてください。
他の店で買ったタイヤを預かってもいいですか?
そのタイヤの交換作業を自分の店でするなら、「仕事の対象になったタイヤ」と考えられる余地があります。作業をせず、預かるだけの場合は要件から外れる可能性があります。運輸局に確かめてください。
店の裏に預かり用の倉庫を建てる予定です。
要件の一つに「専用の施設を設けて行われるものでないこと」があります。建てる前に、図面を持って運輸局に相談してください。
倉庫業のほかに確かめる決まりはありますか?
ゴム製品は、量が多いと消防法の「指定可燃物」に当たり、保管の決まりは市町村の火災予防条例で定められています。預かりの量が増えたら、管轄の消防署にも確かめてください。

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